発行日 2003年12月1日版 

VOL.023
発行:ネクチャードットコム E&Eプランニング事務局 
E-Mail eeplan@necture.co.jp

はじめに 
 
省エネ、環境関連分野で平常収集している省エネ機器情報や業界情報を定期的に発信することで読者諸子と情報の共有化ができ、少しでも事業発展のお役に立てればと考えています。
限られた情報源ですのでご承知の情報も有るかとは存じますがその点はご了承ください。
記事内容やご要望、ご質問、詳細調査・コンサルティング依頼などがございましたらメールにてご遠慮なくお問い合わせ下さい。

平成14年秋 E&E編者

    ■業界情報

 

産業界の‘02年度のCO2排出量は前年比1.8%増、’90年比1.9%減


日本経団連は02年度のCO2排出量が4億9851万トンと発表した。景気回復を背景にした生産量の増加や東京電力の不祥事などで3年ぶりに前年実績を上回った。日本経団連が独自に策定した目標を現時点ではクリアしている。鉄鋼、電機、自動車、自動車部品、化学などは軒並み前年度を上回った。「環境自主行動計画」には35業種が参加。


(コメント:目標は業種ごとに原単位に対する削減のため、国の目標との整合は不明。)

 

海外で取得したCO2排出権は国の削減義務量への寄付とみなす見解

経済産業省は京都議定書で削減義務を負うのは国であり企業ではないので、「京都メカニズム」を活用して取得した排出権を「寄付」という形で国の削減量とリンクさせる狙い。企業は損金として費用計上できる。企業は買い上げを希望しているが、それが削減義務付けにならないか?警戒している。


(コメント:目標達成が困難なので、今後排出権取引がこれから注目されてくる。)

 

コスモ石油が硫黄分を低コストで50ppmに抑える軽油脱硫技術を実用化


業界では50ppmを実現するために1千億円以上の投資がされてきたが、安価な軽油脱硫触媒を開発した。水素化脱硫装置に取り付け軽油と触れ合わせることにより不純物の硫黄化合物を除去する。2008年には10ppm以下に抑えることが決められており、その目標値以下に抑える触媒の開発を急いでいる。


(コメント:排ガス中の汚染ガスや粒子を除去するよりも発生させない燃料に改質させる技術が重要。)

 

鹿島は中小規模ビル対象の電気、ガス、水の利用状況管理システム(エコカルテ)を開発

1千m2〜5万m2のビルを対象に空調、照明、水道などの制御装置からデータを取得し、ネット経由で鹿島のサーバに蓄積し、日々の利用状況をオーナや管理会社に自動配信する。機器の異常や蓄積データの分析により無駄な状況を把握できる。50万円以下の別料金で空調機器設定の見直しや夜間電力の有効活用などの効率化提案も行う。
効率化により5〜10%の省エネ効果も見込める。利用料金は月間1万〜1.5万円。


(コメント:改正省エネ法に対応して中小規模のビルのエネルギー管理も今後普及するだろう。)

 

エネサーブが1万kWのPPS事業(特定規模電気事業者)に参入予定

PPS事業は償却済みの発電機を活用した電力小売という新たなビジネスモデル。A重油燃料を使用する出力170kWのパッケージ型の発電機70台(予備機12台)を設置し合計9900kWの規模で、来年4月1日より運転開始予定。
関電管内の産業用、業務用需要家に供給予定。


(コメント:償却済み発電機を使用するので電力単価は相当安くなるだろう。)

 

日本電気硝子は蛍光灯の光を蓄光し、1時間以上発光するガラスを開発

新しい蓄光ガラスは加工法を工夫し、中に酸化アルミや光を出すユウロピウムなどを分散させ、ガラス中に蓄光材料を混ぜ、内部から発光する。現状のガラス表面に発光材料を塗布したものと比較すると持続時間は2倍以上に向上する。
20分の蛍光灯照射で1時間以上、青緑色を発する。1時間後光の輝きは1/10になるがその後はそのまま8時間継続する。屋内外で使用できる。一般住宅や飲食店、映画館の目印灯などを想定。


(コメント:蓄光時間が長いので夜間の防災用の誘導灯として面白い。)

 

中部電力は前川製作所と低温排水を利用できる吸着冷凍機を開発

水の気化熱を利用して冷水を製造する吸着冷凍機で、吸湿剤(シリカゲル)の吸湿・乾燥を,温排熱と水分を吸収する吸引ポンプを併用することにより、これまで捨てられていた60℃以下の低温排水を利用して、10℃程度の冷水を高効率で製造する。消費電力の10倍以上の冷凍能力がある。工場の生産工程で発生する温排水は全国で年間、
石油ドラム缶1000万本のエネルギーに相当する。その60%以上が60℃以下の低温。

(コメント:低温の利用技術開発が今後の省エネの重要な課題。)

 

地球環境産業技術研究機構がCO2分離回収技術を開発

独自に開発した高分子膜を利用して分離速度を従来の5〜10倍に高め、分離回収費用も2割程度削減できる見通し。「カルド型ポリイミド」を利用し、CO2だけを透過しやすくした高分子膜で中空糸を作成し、排ガスを中空糸の内部に送り込み、CO2だけを外に取り出す。排ガスからCO2を分離回収して海中や地中に隔離貯蔵する試みが国内外で始まっているが分離回収費用が総コストの80%を占め、効率的な分離回収技術が求められている。


(コメント:CO2を大気中に排出する前に分離回収、貯蔵をする技術も省エネと併せて重要。)

 

山武が改正省エネ法対応を無償支援

BAシステムのメンテナンス契約を結ぶ顧客に対し、エネルギーマネジメントシステムの実施方法のノウハウや省エネを実現するためのワークショップを実施している。ワークショップでは改正省エネ法の解説からBAシステムを活用した建物運転管理データ、ネットワーク利用、ESCO手法まで豊富な実績を基に事例紹介を行う。

(コメント:中小ビルの省エネは遅れており、省エネ改正に伴い省エネを進める支援が必要になる。)

 

日立産機システムが工場機器のネット監視・制御行うコントローラを開発   

NEDO、省エネセンター、日立の共同研究で開発された技術を商品化した。手にひらサイズの装置にウエッブサーバ機能やメール送信機能などを搭載。工場内の機器や照明器、空調などの稼動状況が遠隔監視できる。本体価格9万円

(コメント:監視機能の充実が省エネにつながる。)

 

富士電機が04年内に家庭用燃料電池実証実験を開始予定   

出力1kWの固体高分子型燃料電池(PEFC)で、連続1万時間以上稼動できる信頼性をを確認する。2〜3万時間の耐久性を実現し、07〜08年に発売予定。価格は100万円程度の方針。天然ガスから水素を取り出す改質器も独自に開発予定。リン酸型燃料電池を開発し1998年から販売を開始し、100台以上を試作し、10数台を納入した。4万時間以上の稼動を確認済み。工場のコージェネは100kWで需要拡大を想定。家庭用との住み分けを図る。

(コメント:燃料電池の実用化の速度が速くなってきた。)

展示会、講演会 

 

 1.「京都環境フェスティバル2003」


   ・開催日   :平成15年12月6日(土)〜7日(日)
   ・開催場所  :京都府総合見本市会館(パルスプラザ)
   ・主催     :京都府企画環境部環境企画課
   ・参加料   : 無料   
   ・問合せ先  :TEL:075−414−4831

以上
Home